ビジョントレーニングについて

Q. あなたは自分の目を鍛えたことはありますか?

スポーツをする際、最も重要とされるものをあげてくださいと言われたとき、あなたは何を思い浮かべますか。筋肉やスピード、体力でしょうか。またはテクニックでしょうか。はたまたチーム戦術でしょうか。その他にも競技に特化したさまざまな要素があるかと思います。
私たちはその中でも、すべての競技に共通する「見る力」にフォーカスして、選手の競技力向上・レベルアップを目指してスポーツビジョントレーニングを行なっています。

体の外から得る情報は80%が目から

1、スポーツビジョンとは?

スポーツにおいて不可欠な動体視カ・瞬間視・周辺視などの「見る力」を指します。
競技によって必要な項目や種類は異なり、これらを適切に継続してトレーニングすることで、競技力のレベルアップに繋がっていきます。

【説明】スポーツビジョンの一般的な種類は以下の8種類です。

静止視力止まっている目標を見る力(一般的に言う視力)
KVA動体視力自分と一定距離を保って移動している前後方向の動きを識別する力
DVA動体視力自分と一定距離を保って移動している横方向の動きを識別する力
コントラスト色の明暗をすばやく判断し識別する力
眼球運動眼球をすばやく正確に動かす力
深視力正確に距離や立体感を認知する力
瞬間視瞬間的に多くの情報を正確に認識する力
眼と手の協応動作眼で見たものにすばやく体が反応する力(目と体のチームワーク)

※車の運転に例えれば、ボールで遊んでいる子どもが路地の横から飛び出してくるのをすばやく認識するのが「DVA動体視力」、右折する時に、反対車線の前方から走ってくる車の距離を把握して脳で認識したりするのが「KVA動体視力」にあたります。

2、どんな効果があるの?

眼球を動かす筋肉『眼筋』を鍛えることで、より多くの情報を認知し体の動作へと繋げていくことは、競技力のレベルアップに直結します。
実際のサッカーチームにおいて、ビジョントレーニング後、「ほとんどの選手がパス精度が向上した」という結果も出ています。多くのスポーツ選手はパフォーマンスを高めるために、技術練習や筋肉トレーニングを日々しています。しかし、どんなに高いフィジカルや運動能力を身につけたとしても、プレーするための判断材料がなかったり、相手の状況を見れなければ、質の高いパフォーマンスには繋がりません。
サッカーに話を絞ると、相手や味方との位置関係を正確に把握できなければ、パスを繋ぐことはできません。クロスが上がった時は、ゴール前は敵も味方も混雑している状況です。ボールを見ながら周辺視野で敵と味方を見分けたり、ポジショニングを見極めなければなりません。現代のサッカーでは「認知」や「状況判断」という言葉が、多くの現場で用いられるようになりました。しかし、技術のミスなのか、状況判断を間違えたのかを整理する必要があります。実際に、指導者がその都度よく見えているのかどうかを判断するのは困難です。選手自身も少しずつ視力が下がっていても自覚できないこともあります。
最も大切なのは判断を間違えたのならば、そのまま技術でどうにかしようとするのではなく、そこにフォーカスしてトレーニングして見るということです。そうでなければ視野や判断材料は効果的に向上していきません。
総合的に優れた運動能力・パフォーマンスを発揮するには、正しい情報をできるだけ早く多く取り入れる「good eye:グッドアイ」が必要です。
good eye:グッドアイ」とはスポーツ選手に必要な視覚的要素を、高いレベルで持っているとのことで、これは継続的なビジョントレーニングによって習得・向上させることができます。

3、何歳になったらやればいい?

「目のゴールデンエイジ

子どもの成長の中で、最も運動能力が向上する年齢期を「ゴールデンエイジ」と呼びます。一般的に運動能力を効果的に向上させる適した年齢は、8歳~12歳と言われていますがスポーツビジョントレーニング、動体視力を発達させられる最も効果的な年齢は6~20歳頃までと言われています。しかし動体視力のピークは10代後半までなので、高いレベルでプレーしたい選手はピークが来る前に、通常の練習と並行して取り組むことが大切です。

4、視力がいいから大丈夫?

静止視力が良くても動体視力やスポーツビジョンが良いとは限らない。 静止視力を除く視覚機能はビジョントレーニングでしか効果的に鍛えることはできません。

目で見るという日常生活の何気ない動作の中で、誰もが同じように見えていると思っていますか。実際には「見る力」は足が速いなどの能力と同じように、それぞれ個人差があり、能力差は思っているよりもはっきりします。測定すると個人差がかなりあることも分かります。

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